2018.06.07
※この記事は2018年06月07日時点の情報をもとに作成されました。
こんにちは、インタビューライターの悠木です。
ライターが実践している『文章を書く時間を短縮する』方法 その1
では、文章を書くことが苦手だと感じてしまう原因や、文章を書き始める前の準備についてお伝えしました。
第二回目となる今回も、引き続き準備のお話からはじめます。そして、準備を終えたらいよいよ書く作業についてです。
前回のブログで、文章を書く準備として「何のために」「誰に」「何を」を明確にすることについてお伝えしました。
復習と練習を兼ねて、下の例題にどんな「何のために」「誰に」「何を」を設定するか考えてみましょう。
【 練習問題 】————————————————————————————————————————————-
会社の上司から、自社ホームページの採用ページに掲載する「先輩の声」の原稿を書くように指示された。
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本来なら、指示をした上司に詳しく確認しておきたい点もあると思いますが、今回は練習ですので、この立場になったと想定してイメージを膨らませてみましょう。
あなたなら、どのような「何のために」「誰に」「何を」を準備しますか?
▶回答例:「何のために」
仕事内容や社内の雰囲気を知ってもらうため。
それによって、会社に興味を持ち、入社を志望してもらうため。
ポイント:
その文章の目的です。大まかな方向性を定める指針となります。
▶回答例:「誰に」
理系大学在学中の3年生~4年生。
親戚で理系大学に通っている太郎くんをイメージ。
ポイント:
今回の例のような採用であれば、人事担当者に確認することで、かなり具体的な人物像が分かるでしょう。回答例では理系の大学生としましたが、中途採用や高卒採用などの場合はイメージが違ってきますね。
▶回答例:「何を」
社員同士の人間関係がよく働きやすい環境だということを伝える。
ポイント:
「何のために」で仕事内容や社内の雰囲気を知ってもらうと設定しました。
すると、「何を」は「仕事の楽しさ」や「会社の魅力」といった方向性になるでしょう。
ただし、これでは漠然としています。
例えば「技術を高められることが楽しい」「自分の成長が感じられる」「休日も楽しむことができる」など色々な切口が考えられます。
その中で、どの切口で文章をまとめたいのかをしっかりと考えましょう。
さて、ひとつ目の準備について思い出せましたか?
ふたつ目の準備は、どのような内容を書くのか、項目をリストアップすることです。
▶ステップ1:思いつくままに箇条書きにする
内容に盛り込みたい項目を思い付いた順にドンドン書き出していきます。
準備1の「何のために」「誰に」「何を」に沿った項目が基本ですが、ステップ1では、あまり細かく考えず、とにかく材料をたくさん出してみるようにしましょう。
前章の練習問題の内容で項目をリストアップするとこんなイメージになります。
■仕事で困っていた時先輩がすぐに気付いて助けてくれた・学生時代から人見知りで入社前は不安だったけどうまくやれている
■休憩時間に休憩室で同僚と趣味の話で盛り上がる
■仕事中は厳しいこともあるが、フォローしてもらえるから安心して仕事ができる
■社食のランチがおいしい
■仕事と休憩はメリハリがある
■週1回、有志で勉強会を開いてお互いに高めあえる
■休憩室のドリンクサーバは無料
▶ステップ2:不要な項目を削除する
次に、書き出した項目を見直して、一番書きたい項目を選び出します。
また、不要な項目を削除します。
削除するのは、「何を」で決めた設定に合わないものと、一番書きたい項目と合わないものです。
一番書きたい項目が木の幹として、その枝葉にならない項目は削除しましょう。
思い入れのあるエピソードや楽しい話題など、削ってしまうのはもったいないと思えるものがあるかもしれません。
しかし、ひとつの文章の中に複数の幹が存在すると、結局何を伝えたいのかが分からなくなってしまいます。
この作業では、もったいないと思っても思い切って削除することも必要です。
さて、ステップ1で書き出した項目から不要な項目を削除してみましょう。
この例題の「何を」は「社員同士の人間関係がよく働きやすい環境だということを伝える」ことでした。
一番書きたい幹となる項目を「仕事で困っていた時先輩がすぐに気付いて助けてくれた」にしたとしましょう。
◎仕事で困っていた時先輩がすぐに気付いて助けてくれた
■学生時代から人見知りで入社前は不安だったけどうまくやれている
■休憩時間に休憩室で同僚と趣味の話で盛り上がる
■仕事中は厳しいこともあるが、フォローしてもらえるから安心して仕事ができる
■社食のランチがおいしい
■仕事と休憩はメリハリがある
■週1回、有志で勉強会を開いてお互いに高めあえる
■休憩室のドリンクサーバは無料
必要な項目の数は、書くべき文章の量によって異なります。
目安として1項目でどれくらいの文章量を書くかをイメージすると、必要な項目数が大体分かります。
▶ステップ3:項目を並べ替える
文章にするための項目が決まったら、最後に並べ替えをします。
並べ替えは、意外と難しい作業です。
順番によって面白くなることも、分かりづらくなってしまうこともあります。
文章を書くことに慣れていない間は、時系列に並べることを基本として考えることをお勧めします。
時系列では面白味がないといわれることもあります。
しかし、内容が伝わりやすく、大失敗しづらいという特徴もあります。
並べ替えを工夫するためには、文章力も必要となります。
まずは、時系列で読者に伝わりやすい文章を書くことを意識してください。
そして、文章を書くことに慣れてきたら、より魅力的な文章にするためにどう並べればよいのか色々と工夫してみましょう。
それでは、ステップ2で絞った項目を並べ替えてみましょう。
3 ◎仕事で困っていた時先輩がすぐに気付いて助けてくれた
1 ■学生時代から人見知りで入社前は不安だったけどうまくやれている
2 ■仕事中は厳しいこともあるが、フォローしてもらえるから安心して仕事ができる
4 ■週1回、有志で勉強会を開いてお互いに高めあえる
↓ ↓ ↓
1 ■学生時代から人見知りで入社前は不安だったけどうまくやれている
2 ■仕事中は厳しいこともあるが、フォローしてもらえるから安心して仕事ができる
3 ◎仕事で困っていた時先輩がすぐに気付いて助けてくれた
4 ■週1回、有志で勉強会を開いてお互いに高めあえる
準備2の項目のリストアップは、付せん紙を使うとやりやすいと思います。
並べ替えている途中で、ステップ2で削除した項目を復活させたくなることもあるかもしれません。
どの項目を書くのか、どう並べるのか、じっくりと考えてみてください。
これで、文章を書く準備が整いました。
この準備を『構成』と呼びます。
『構成』は、文章の設計図です。
設計図を作らずに家を建てることはありません。
ところが、文章を書く場合、設計図(構成)を作らずに書き始めてしまう方が多いのです。
そのために、文章を書くのに時間がかかってしまうのです。
ぜひ、準備をしっかりしてから文章を書くことに取り掛かってみてください。
お待たせしました。
準備を終えたら、次は実際に文章を書く作業に入ります。
と言っても、書く作業については、詳しく説明するようなテクニックはありません。
すでに、準備でどんな内容をどんな順番で書くのかは決めてあります。
あとは、それに沿って言葉を膨らませていくだけです。
しかし、これだけでは寂しいので、書く作業のポイントを3つ挙げておきましょう。
▶ポイント1:準備を終えたらすぐに書き始める
誰に対して書くのか、どんな内容を書くのかなど、準備の段階でイメージが膨らんでいるはずです。
鉄は熱いうちに打てと言います。
ぜひ、準備で膨らんだイメージをすぐに文章に変えてみてください。
▶ポイント2:「誰に」を意識する
「誰に」は、言葉を選ぶ指針となります。
準備で想定した「誰に」をイメージして、その人へ手紙を書くようなイメージで文章を書いてみましょう。
▶ポイント3:最後まで一気に書き上げる
これが最も重要かもしれません。
とにかく、最後まで一気に書いてしまうことです。
多少文章がおかしくても問題ありません。
きれいに書こうとか、かっこいい文章を書こうなどと頭を悩ませて手を止めてしまうよりも、とにかく文章を一旦完成させることが大切です。
並べた項目に沿って、文章を書き上げましょう。
ブログの大きなテーマは「文章の書き方」ですが、実際に「書く」作業についての説明は以上です。
文章が書けないと悩んでいる方の多くは、いきなり「書く」作業から始めてしまうために、
「どう書き出せばいいんだろう?」
「途中で手が止まって続きが書けない」
「あれもこれも書かなきゃいけないのに、どうまとめればいいんだろう?」
というような状況に陥ってしまいます。
最初にきちんと設計図(構成)を作ってしまえば、あとはそれに沿って文章にしていけばいいのです。
さて、書く作業まで終わりましたが、この後にもうひとつ重要な作業が残っています。
書き終えたといって、この段階で提出しないようにしてくださいね。
次回のブログでは、文章を仕上げるための「修正」についてお伝えします。
・文章を書くにあたって、まずは準備をする。
準備1
「何のために」「誰に」「何を」を明確に
準備2
内容の項目をリストアップして「構成」を作る
・準備ができたら、一気に最後まで文章を書き上げる。
弊社では上記ブログ内容にある修正・カスタマイズのご依頼も承っております。
ご自身で行ってみて上手くいかない場合などこちらよりお気軽にご相談ください。